

大辻清司さんの町角を定点で撮影した映像作品がおもしろかった。昔のデザインの車や服装、下駄の音がする何気ない風景が素敵でしたが、時代が変わると、いま見ている風景も同じように「古い風景」になっていくのだと思うと、自分が撮る写真の見方も変わる気がしました。
高梨豊さんの青春18切符の旅で撮られた写真が好きだった。制作ノートには克明にコンセプトが書かれていて、思いつきで撮影していないんだなと、感じました。
学生たちは各人各様の興味に応じて熱心に見ていたが、とりわけ関心が集まったのは、街角を固定カメラで長回しした大辻清司氏の映像作品だった。1973年に撮影された、極めて地味なこの作品が彼らの興味をひいたことに少々驚いている。過ぎ去った時空という意味も含め、彼らにとって「時間」は興味あるテーマのようだ。写真をイメージ性のみで考えがちな若い世代にとっても、この展覧会は新たな視点を与えてくれたのではないかと思う。
2017年9月13日(水)-10月12日(木) 休館日:日曜・祝日および9月20日(水) ※ただし9月18日、10月9日は開館 入館無料
詳細は下記リンクへ http://photograph.zokei.ac.jp/information/6163.html日時:2017年9月25日(月)17:00-19:00 会場:東京造形大学12号館2階201教室 パネリスト:潮田登久子(写真家)、鈴木秀ヲ(写真家・東京造形大学非常勤講師) 小平雅尋(写真家・東京造形大学非常勤講師)、門田紘佳(写真家) モデレーター:中里和人(東京造形大学教授) 藤井匡(東京造形大学准教授)
高梨豊 特別講義「“写真作家”とは何か?」日時:2017年10月3日(火)16:40-18:10 会場:東京造形大学4号館桑沢記念ホール2階4-B教室 講師:高梨豊(写真家) 聞き手:タカザワケンジ(写真評論家・ライター・東京造形大学非常勤講師)
ギャラリートーク第1回9月13日(水)17:30-18:10 第2回9月26日(火)13:30-14:10 担当:藤井匡(東京造形大学准教授)、附属美術館学芸員
みなさまのご来場お待ちしています。 東京造形大学写真専攻領域東京造形大学写真専攻領域では、写真研究の重要な柱としてドキュメンタリーフォトグラフィを研究指標科目に置いてきました。ドキュメンタリーフォトの特色は、目の前の対象に対し、観察、記録を基本に様々なアプローチを行い、現実を記録し記憶化させていくものです。
本展では、造形大学で写真を学び、その後ドキュメンタリーフォトグラフィの視点から、写真家として活躍する五名の作家を招き、現代の様々な事象に接する過程で生み出されてきた秀逸な作品を紹介いたします。
石田宗一郎は、現代のデジタルイメージングの先進的カメラ技術を駆使し、街を監視カメラでスキャニングするように、即物的な町並み転写を実践し、地域社会の街景観アーカイブズにも連動しています。
熊野紗綾は、生まれ育った千葉市の名づけようのない片隅を追い求め、自身の原風景とシンクロさせながら記憶の痕跡を集めていきます。
田山湖雪は、生まれ育った静岡の土地をフィールドに、歴史や環境の中で地誌的風景を読み解き、現代日本のどこにでもある日常的な風景の依り代を定着させようと試みています。
門田紘佳は、旅の視線に身を委ねながら、現実の世界と自身の心的世界を交錯させ、日常の中に潜む存在と不在の境界を軽やかに綱渡りしています。
由良環は、世界の首都を旅しながら、場所が生み出す気配に着目し、大型カメラで客観的で類型化された都市景観を記録化しています。
2017年11月13日(月)-11月18日(土) 10:00-17:00 *11月14日(火)のみ14:00-17:00 会場:東京造形大学12号館1F ZOKEIギャラリー 主催:東京造形大学/東京造形大学写真専攻領域